鍼治療は直接に皮下に刺入する治療方法ですので、ほとんどの方は精神的にナーバスになる傾向があります。
理由としましては、以下のような心配事を抱えがちだからだと思いますが、ご心配はいりません。

感染症の問題につきましては、鍼はディスポーサブル（メーカーで滅菌された使い捨て鍼）を使用し、使い回しはいたしません。一回の治療で総べて廃棄しております。従いまして感染症のご心配は100%御無用です。安心して治療をお受け下さい。

刺入時の恐怖ですが、皆様ご存知のように蚊もハリを皮下に刺して血を吸います。痛みは無くむしろ痒いものです。鍼（ハリ）は蚊の場合とは違いますが刺入という点では同じです。鍼（ハリ）は刺入時は痛みませんが、患部に当たりますと、ぐい〜と重い感じがいたします。これは「鍼の響き」と言われるもので、これが無いと効果はゼロと言っても過言ではありません。「鍼の響き」は効果のサインです。「良薬は口に苦し」の例えと同様です。リラクゼーションではありません。あくまでも治療なのです。「鍼の響き」もそんなに苦痛ではありません。どうぞご心配されずに一度、ご経験されればご納得されるでしょう。

クセになるということですが、これは裏を返せば良く効くということに他なりません。ただ「クセになる」という文言はあまり良い意味で使用されないのが通例です。病気になると病院に行くのは当たり前ですが、決して「クセになる」とは表現しません。効果があるから足を運ぶのです。「クセになる」とはドラッグ的なものを連想させますが、鍼治療では薬物は一切使いません。純粋に鍼一本だけの治療です。症状がある場合は病院と同じ感覚で利用すれば良いのです。 その昔、終戦時にGHQが鍼や灸の治療を初めて見て、「何と野蛮な治療か…」と即刻廃止する旨を伝えたそうですが秘めたる効果を知ってか態度をガラリと変えて現在に至っているとのことです。現在では、世界中で鍼治療が行われています。アジアは言うまでもなく西欧でもアメリカでも盛んに行われ、医療としての地位を確立しているのです。